電通大の国際交流
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佐藤 俊樹情報メディアシステム学専攻 博士後期課程

派遣先:アメリカ合衆国 マサチューセッツ工科大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校、
マイクロソフトリサーチ
派遣期間:平成22年9月19日~29日

研究テーマ:液晶ディスプレイと偏光を用いたテーブルトップシステムの研究

活動の概要

今回の派遣の目的は、私が博士課程在籍時から行ってきた研究テーマである、液晶ディスプレイと偏光に着目した新しいテーブルトップシステムの開発における海外の研究機関との協力関係の構築であった。本研究テーマは私の博士論文でその枠組みを提案したばかりであり、今後この研究をより一層世界的なものとするためには、海外の著名な研究者・研究機関と共同で研究を進めることが必要不可欠であると考えた。そこで私は、次の3つの世界的に著名で高い研究力を有する研究機関を訪問し、そこで研究を行っている研究者達と偏光の応用技術、研究の将来性や将来の共同研究についての議論を行った。

まず私が訪問したのは、ボストンにあるマサチューセッツ工科大学のMedia Laboratoryの研究者であるRamesh Raskar先生の研究室である。Ramesh先生とは、私の研究テーマである偏光の応用について議論を行い、今後のシステム開発の見通しについて見当し、さらに私のMedia Labへの長期滞在についての詳細な話し合いを行った。次に私は、カリフォルニア大学サンディエゴで研究する木谷 Kris先生のもとを訪問した。Kris先生は画像処理アルゴリズムの世界的な若手研究者であり、画像処理技術に関する共同研究についての議論を行った。また大型の壁型3Dディスプレイシステムを。次に、最後に訪問したのは、シアトルにあるMicrosoft Researchの研究者であるAndrew Wilson氏の研究室である。彼は世界的なHCIの研究者であり、同じく世界的な研究者であるBenko氏やMike Sinclair氏を交え、インタラクティブサーフェイスと周囲の空間を用いたジェスチャインタラクションの組み合わせについての議論を行い、その実装方法や新しいイメージセンサの利用方法について様々な議論を行った。またMike氏とは偏光の性質を変化させる弾性素材について議論し、実際に様々な素材の偏光特性を調べた。

研究成果概要

私は博士課程を短縮して卒業する機会を得たため、限られた在学期間のなかでの派遣となり、長期の滞在を行うことはできなかった。しかし、その代わりとして様々な研究機関の親しい研究者達と直接的な議論を行え、また今後の共同研究、また長期滞在を伴う留学の具体的な議論を行い、本研究室と世界的に著名な研究機関との関係を構築する貴重な機会を得た。また、多くの世界的な研究者から今後の新しい研究テーマ構築の手助けとなる様々な斬新なアドバイスを得ることができた。これらのコネクションや新しい知見は、研究者・研究者を目指す私の自信をより確かなものにした。さらに派遣により得られた新しい知見は現在開発中のシステムで実際に活用しており、このシステムは今後様々な国際会議で発表する予定である。

国際化に関する所感及び提言

本学、電気通信大学はインタラクティブシステム分野(ヒューマンコンピュータインタラクション分野、バーチャルリアリティ分野等)において、日本で最も活発に研究が行われている教育研究機関のうちの一つであると言える。毎年、SIGGRAPH等の著名な国際会議において、本学の研究が数多く発表され、また様々な国際的な賞を受賞している。そのため、海外の研究機関からの注目も高く、世界の研究機関も共同研究や長期留学を伴う研究者派遣について非常に積極的な姿勢を見せている。私は今回の派遣でも、このことを強く認識することができ、将来の海外での研究活動に対する強い意欲を持つことができるようになった。

作成日:2010年9月29日 / 更新日:2011年11月18日