電通大の国際交流
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阿部 敏之知能機械工学専攻 博士前期課程

派遣先:アメリカ合衆国 国際バイオメカニクススポーツ学会
派遣期間:平成22年7月18日~8月7日

研究テーマ:形態がヒトの姿勢制御に及ぼす影響

活動の概要

私は,ヒトの形態および身体部分の慣性特性が運動に及ぼす影響について研究を行ってきた.本派遣ではこれまでの研究成果を国際学会で発表を行った.また関連研究として,FES(Functional Electrical Stimulation :機能的電気刺激)を用いたヒトの姿勢制御や形態が姿勢制御に及ぼす影響について学んだ.

まず,アメリカのミシガン州マルケットに渡り,International Society of Biomechanics in Sports Congress(2010/07/19~24)において,研究発表を聞くこと,自ら発表を行うことで諸外国の研究者と議論を交わした.次に,カナダのオンタリオ州トロントに移り,ホームステイを行いながら Rehabilitation Engineering Laboratory にてゼミや実験に参加した,また,Toronto Rehabilitation Institute内で行われている研究について学んだ.

研究成果概要

International Society of Biomechanics in Sports Congressでは,自分と似た研究をしている方のロジックを勉強したり,今後の研究に関してのアドバイスをいただいたりしたので,大変有意義なものであった.はじめは,自分の英語に自信がなく自ら発言することができなかったが,徐々に海外の雰囲気に慣れてくると,簡単な英語で質疑応答ができるようになってきた.最後のクローズパーティーでは,中国(台湾),韓国,アメリカ,オーストラリアの研究者と食事をしながら,楽しく会話をすることができた.大事なことは,勇気を出して自ら発信することだと感じた.

Toronto Rehabilitation Instituteでは2週間という短い期間であったが,自分の研究を英語でわかりやすく説明するトレーニングができたこと,説明を聞いて理解し質問できたこと,実験に立会いながら検者・被検者として協力できたことなど,より親密なコミュニケーションがとれたことは貴重な体験であり,今後の研究活動の糧にしたいと思った.

国際化に関する所感及び提言

今回,初めて海外での生活と研究活動を経験し,自分の主張をはっきり行うことの重要性を感じた.

日本には『空気をよむ』や『場の雰囲気をよむ』などの言葉があるように,周囲に対する反応を気にするという風潮があるが,そこには他人に配慮するといういい面と自分の主張を内に秘めてしまうという悪い面があると感じた.私は国外に出て自ら体験したことで初めて知ることができたが,本学においても工夫次第ではより多くの学生に似たような体験ができないだろうかと考えた.例えば,学部1,2年の英語や第2外国語の授業に留学生を加えてグループディスカッションを行うなど,全学で留学生との交流をより活発に行うことはできないだろうか.

それを踏まえた上で,今回のプログラムを継続的に行っていただければ,若い研究者に与える影響がより大きなものになると思った.

作成日:2010年8月 7日 / 更新日:2011年11月18日