電通大の国際交流
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市野塚 朝知能機械工学専攻 博士前期課程

派遣先:中国 華南理工大学
派遣期間:平成24年8月16日~平成24年9月13日

研究テーマ:対向微少流を用いた赤血球の非接触把持システム

活動の概要

本研修では、研究テーマの基礎的実験を行った。
近年、工学、医療及び生物分野において微小対象物の操作、加工、組立といった、微細作業手法の確立が求められている。しかしながら、数mmから数μmサイズの微小対象物では人間が直接操作を行うことは難しい。その為、微小環境における微細操作を行うマニピュレータの必要性が高まっており、多くの物理的・機構的な解決方法が提案され研究が行われてきた。
本研究グループでは、対向微流動を用いた非接触把持システムの研究開発を行ってきた。この非接触把持システムは、対向に配置した管から放出される微小流体の流量を変化させることで、管口に挟まれた作業空間内の微小対象物の位置決め、移動及び回転可能なマニピュレーションシステムである。このシステムは試料の液中における操作が可能であり、三次元形状を保持した試料の観察の可能性が期待される。
本研究では、3本ずつ組にした6本の同一線上に並ばない極細管を用いた三次元非接触マニピュレーションシステムを提案しシステムの構築を行うことを目標とする。
本研修では、システムの実現の導入の為試作機を製作した。
試作機では、最終目標である赤血球よりも大きい試料を用いて実験を行った。

研究成果概要

本研修において、本研究のシステム実現の可能性が確認できる結果が得られた。
水源となる一つポンプからの水流を6つの均等な流量になるように分流し、6本の内径0.5mmのガラス管から吐き出される流れを用いて、ガラス管先端の中間にある作業領域内での試料のマニピュレーションの確認を行った。その結果、作業領域内での試料の把持に成功した。しかしながら、課題も明確化した。作業領域内から脱することはないものの、領域内での試料の左右への移動や回転が見られた。これは試作機で用いた回転ポンプの脈動の影響である。回転ポンプは性質上脈動を完全になくすことは困難であり、他形式のポンプの検討を行う必要があることが分かった。試作機では水源を6つに分流し実験を行ったが、マニピュレーションを行うためにもポンプに変更を共に各管ごとにポンプを分け、一つ一つ個別に制御する必要がある。
また、配管にエアチャンバーを設ける方法を用いて回転ポンプの脈動現象軽減の可能性を模索した。異なるチャンバーのサイズや個数で実験を行ったが、好ましい結果は得られなかった。

国際化に関する所感及び提言

本派遣では、海外の大学における研究環境および生活についての一端を体感することができた。大学院生の一日の研究生活は、自身や本大学と共通する部分も異なる部分もあり、特に彼らの研究に対する姿勢には感心させられることが多かった。また、初めての中国での生活の中で、文化の違いを感じることは多くあったが、コミュニケーションを積極的に行うことでお互いに理解することで、違和感は面白さに変わることを本研修で学ぶことができた。国際化に進む社会で生活する中で大変有意義な経験となった。

作成日:2012年11月 8日 / 更新日:2013年4月23日