電通大の国際交流
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大海 真貴先進理工学専攻 博士後期課程

派遣先:デンマーク オーフス大学
派遣期間:平成25年1月17日~平成25年1月29日

研究テーマ:原子の高次高調波発生過程に関する理論研究

活動の概要

デンマーク・オーフスにあるオーフス大学物理・天文学部のL. B. Madsen教授の研究グループを訪問した。オーフス大学とは、これまでに幾つかの研究交流があり、本学との国際交流協定の締結が進められている。L. B. Madsen教授の研究グループは高強度レーザー場物理で注目される諸問題に関する理論研究を行う非常に活発なグループである。近年は、トンネルイオン化過程や多電子原子、分子の配置間相互作用に注目しており、訪問中にも多電子原子、分子における多体効果の取り扱いに関するセミナーが行われた。
訪問中は、当セミナーへの参加と研究グループメンバーとの交流を通して、高強度レーザー場物理学の諸問題に関する議論を行った。特に、研究テーマでもある高次高調波発生過程に関する議論は、新鮮で、意義深いものとなった。

本研究は、偏極原子の高次高調波発生過程に関する調査を行っている。特に、実験が比較的容易である希ガス原子に注目し、理論と実験の比較を行いながら議論を展開している。本研究は高強度レーザー場における原子のアト(10-18)秒時間領域の諸問題に関する本質的な理解を与え、超高速電子顕微鏡の開発等の応用分野への展開を目指している。訪問中に、直交二色レーザーパルスによる偏極原子の高次高調波の解析を推進し、それらの成果をまとめた。

研究成果概要

派遣期間中に、直交二色レーザーパルスによる偏極原子の高次高調波発生過程について半古典論的解析を行った。研究では、特に、高次高調波の偏光について調査を行った。高次高調波の発生過程はイオン化電子とイオンの再衝突現象として説明される。偏光は、イオン化電子とイオンの再衝突角度とイオンの空間対称性に大きく依存する事が指摘されている。本研究はイオン化電子の運動を古典力学的に取り扱い、イオンの空間対称性を考慮するために量子力学的な取り扱いを採用する事で、高次高調波の偏光を半古典的に記述した。この方法を用いて、水素とアルゴンなどの希ガス原子数種について高次高調波の偏光を計算した。水素については時間依存シュレーディンガー方程式による厳密解と比較した。

L. B. Madsen教授の研究グループメンバーとの議論を通して、高次高調波過程を説明するLiewensteinモデルの最近の動向や多電子間相互作用の重要性について新たな知見を得ることができた。さらに、本研究の位置づけと意義、将来性について思慮を深める事ができた。

国際化に関する所感及び提言

本派遣により、多くの研究者や学生と議論を交わす事が出来た。直に話し合う事で、より身近で、緻密な交流が出来た事を嬉しく感じる。
今回の派遣は2度目の海外派遣である。前回の派遣はアメリカ合衆国への派遣であり、今回はデンマークへの派遣である。デンマークの母国語はデンマーク語で、常に英語が通じるわけではないという事が新鮮だった。訪問した研究室があるオーフス大学には、ヨーロッパ各地からの留学生も多かったため、英語に限らず、語学の教養が必要不可欠であることが、より強く感じられた。

作成日:2013年3月18日 / 更新日:2013年3月18日