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ダルムシュタット工科大学 菅原 優史さんⅢ類工学部・物理化学科

「行ける大学」より「行きたい研究室」:自力で掴んだドイツ留学

SY_Castle.png 幼い頃からの海外への憧れを実現するため、大学院進学を機に留学を決意しました。選定にあたっては、大学の協定校リストから選ぶのではなく、自分の専門分野において高いレベルの研究を行っている環境を自らリサーチ。ドイツのダルムシュタット工科大学に理想の研究室を見つけ、教授に直接メールで交渉した末に受け入れの承諾をいただきました。「行ける大学」ではなく「行きたい研究室」を自力で開拓することにこだわりました。

徹底した時間管理で、研究と電通大の単位取得を両立

 現地の研究室では、物理化学分野であるNMR(核磁気共鳴)を用いた構造解析を行いました。医療用のMRIと同様の原理を利用して物質に電磁場を照射する手法です。教授1名と博士課程の学生45名のグループに所属し、日々の実験やディスカッションに励みました。

 また、留年せずに卒業するため、現地での研究と並行して電通大のオンライン授業も履修。現地のコアタイム(実験・議論)と日本のオンデマンド授業・課題をパズルのように組み合わせ、研究時間を削ることなく単位を取得するスケジュール管理を徹底しました。 

議論の洗礼と、後ろ盾なきビザ・家探しの苦労

 研究生活では「議論への参加」に最も苦労しました。当初は聞き役に回っていましたが、「議論に参加しないなら、ここにいる意味がない」と厳しい指摘を受け、拙い英語ながらも積極的に議論へ加わるよう挑戦。相手からの高度な質問に即座に返す難しさは、最後まで大きな課題となりました。

 また、協定校外の留学だったため、後ろ盾がなく手続きにも大苦戦しました。在日ドイツ大使館でビザが受理されず、現地到着後に申請したものの予約すら困難だったため、これから渡航する方には日本国内でのビザ取得を強く推奨します。

 手続きだけでなく、生活インフラ面でも移民の多さから「家探し」は困難を極めました。また、インターネット環境は日本より不安定なため、オンライン面接など重要な通信を行うときは注意が必要です。想定外の問題に対応できるよう、事前の入念な準備と対策が欠かせません。

多文化が交わるシェアハウスでの充実した日々

SY_friends.pngSY_Xmasmarket.png 多くの苦労もありましたが、現地での学生との交流はかけがえのない経験となりました。シェアハウス形式の住居に住んでいたため、キルギス、韓国、ベトナムなど様々な国籍の同居人と毎日会話をする機会がありました。夏には一緒にBBQをし、冬にはクリスマスマーケットに出かけるなど、研究室外でも多文化交流を深めることができました。

「理系留学の理想形」を体現:すべてを自分でやり遂げた自信

SY_Efifletower.png 先生から「理系留学の理想形」と言っていただけたくらい、振り返れば本当に欲張りで、最高に充実した1年でした。現地の研究室活動はもちろん、電通大のオンライン授業、大手企業への内定をいただいた就職活動、生活費を賄うための現地アルバイト、そして隙を見つけては出かけた20カ国への旅行。これら全てを並行して行う毎日は目が回るほど忙しかったですが、その忙しささえも楽しく感じるほど、毎日が刺激に満ちていました。

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 以前の受け身な自分とは違い、研究室へのアポイントから始まり、ビザ申請、資金調達、日々のスケジューリングに至るまで、すべてを「自分」で決定し、実行してきました。誰かに用意されたレールではなく、自分の足で道を切り拓き、やり遂げたという事実は、「厳しい環境でも、自分ならなんとかできる」という揺るぎない自信になり、今後の人生を支える大きな財産です。

理系特有の不安を抱えるあなたへ:戦略次第で、リスクは全て解決できる

 「理系は忙しいから」「留年するから」「お金や就活が心配だから」......。そんな不安で留学を諦めかけていませんか?これらは確かにリスクですが、正しい戦略と事前の準備さえあれば、何も犠牲にすることなく全て解決できます。

「協定校に希望の研究室がない」という不安へ

 既存のリストになくても諦める必要はありません。私は行きたい研究室へ直接メールで交渉し、自分で枠を確保しました。既存の枠にとらわれず、熱意と行動力で行き先は自分で開拓できます。

「実験や必修があり、留年しそう」という不安へ

 私は最も必修の対面実験が多い類所属ですが、留年せずに1年間の留学ができました。単位を事前に多く取得しておく計画性と、渡航のタイミングを見極めることさえできれば問題ありません。

「金銭面と就活が心配」という不安へ

「奨学金+現地アルバイト」で親の援助なしで資金を賄い、現地に長期間いながら「オンライン就活」で大手企業の内定を勝ち取りました。

 漠然とした不安も、一つひとつ分解して対策すれば「解決可能な課題」に変わります。既存のプログラムに乗っかるだけでなく、自分で道を切り拓く留学は、得られる経験値の次元が違います。ぜひ恐れずに挑戦してください。

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作成日:2026年5月27日 / 更新日:2026年6月 2日

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